紛争(もめごと)の解決について

---家庭内のトラブルから国際紛争まで---

 カウンセリングの理論と技法は、もともと「個人」の心に働きかけることを目的に発達してきましたが、昨今の社会情勢を見ていると、とても人間ひとりを対象にしていては間に合わないと思えるほど複雑かつ規模の大きい問題が発生しています。

 それと呼応するかのように、「対話による解決をはかる」とか「対話を重視した政治や行政がたいせつ」などという言葉がマスコミを通して聞かれない日がないくらい、「対話」が重視される時代になっています。

 そこでわたしが日々気になっているのは、種々の争いごとや事件、事故のニュースを聞くたびに、そこに関わる人たちが、果たして自分の経験や知識だけでなく、人間関係を修復する「方法」を使った対応を試みているのだろうかということです。

 家庭内や友人同士のトラブルから、ひいては国家間の紛争までと、その規模や影響力は全く違うものの、その解決に向けて、より有効に働き掛ける手法をカウンセリング(あるいは〈対話法〉)はもっています。

 わたしの友人に、心理カウンセリングの手法を国際平和に活かす研究をしているをしている山本次郎氏(平和カウンセリング研究所所長)がいます。カウンセリングは、もともと国家体制や民族・宗教間の対立などを研究したり、あるべき姿を提案することが目的ではありませんが、国際紛争も人間のこころの働きの延長線にある以上、対話による解決には、グループ・エンカウンターを主としたカウンセリングの理論や技法、また〈対話法〉などが提案するコミュニケーション技法が有効です。これは、来談者中心療法の創始者、 C・ロジャーズが晩年に手がけたことでもあります。

 紛争は、問題が複雑であるからこそ、その解決に向けての交渉や話し合いに際しては、〈対話法〉のように、できるかぎりシンプル(しかし奥が深いです)な技法の適用が必要だと考えます。


浅野が行なえる具体的な援助については、今後このページで少しずつご紹介する予定です。

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